株式会社A(エー)-SEEDS(シーズ)(本社:長野県松本市、代表取締役:柳生 茂希)と帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂)は、このたび、新たな製法によるCAR-T細胞療法(*1)製品開発の委受託に関する覚書を締結しました。今後、帝人のグループ会社で再生医療CDMO(開発製造受託機関)事業を手がける帝人リジェネット株式会社(本社:東京都千代田区、社長:田中 泰至)が製品の上市に向けた開発支援を行っていきます。
(*1)キメラ抗原受容体導入T細胞療法:遺伝子改変技術を用いて、患者の体内から取り出したT細胞を、がん細胞に対して選択的に攻撃できるよう体外で加工して注射する治療法。
帝人は、2021 年に日本の再生医療のパイオニアである株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングをグループ会社として、再生医療事業に参入しました。2023年には再生医療CDMOを専業とする帝人リジェネットを設立し、再生医療等製品の製造販売事業と再生医療CDMO事業を両輪として、事業拡大を図っています。
A-SEEDSは、信州大学医学部 小児医学教室の中沢 洋三教授による研究成果を基本技術として、「非ウイルス遺伝子改変免疫細胞療法」の実用化を目指して2020年に設立された信州大学発ベンチャー企業です。
今回、前例のない革新的な技術を用いたA-SEEDSのシーズを製品化するにあたり、数々の再生医療等製品を上市してきた技術とノウハウ、実績を有する帝人の再生医療CDMOとの協働が最も効果的であると考え、細胞製造における包括的協働関係の検討および構築を目的とした契約の締結に至りました。
この契約により、帝人および帝人リジェネットは、A-SEEDSが創出した、ウイルスベクター(*2)を使用しない新たな製法を用いたCAR-T細胞療法製品の開発において、製造工程の開発や治験薬の製造などで支援します。
(*2)ウイルスが元来保有している機能のうち、増殖性や毒性のみを排除し、細胞進入 機構のみを保持させたウイルス。狙った機能を発現させるための運び屋(ベクター)として使用される。
今後、両社は、この新規CAR-T製品の製造方法の開発について協働し、いまだ治療法の少ないがん患者さんに有効な治療法を届け、社会に貢献することを目指していきます。
本件に関するお問合せ先
株式会社A-SEEDS
電話:0263-31-5882